生まれ変わったランチ 代官山
これを故・O氏が、徹底してムダを排し、多種少量生産でも低コストで高品質を生み出すTPSに結実させた。
部品を入れた箱に添付する「かんばん」は、納入の時間や数量を記した作業指示書である。
後工程が新しい部品を使うたびに、かんばんは前工程に戻され、使った分だけが生産されて補給される仕組みだ。
つまり、後工程が前工程に、〃必要なときに、必要なものを、必要なだけ〃取りに行く「ジャスト・イン・タイム」方式と、人間の知恵で機械を動かすトヨタ用語で言う、にんべんをつけた「自働化」を柱に、徹底的にムラ、ムリ、ムダを省いて改善するというのがTPSの精神である。
トヨタ生産方式は、海外でも「リーン(賛肉を削ぐ)生産方式」の名称で浸透し、世界の製造業に大きな影響を与えた。
二○世紀のモノ作りの王道とまで言われたトヨタ生産方式は、まさにトヨタ経営の原点である。
O氏に直接このTPS精神を叩き込まれたCトヨタ自動車社長は、こう強調する。
「Oさんも言っていたが、TPSに終わりはない。
時代が変われば中身や設備、材料も変わる。
ITの活用でいろいろなこともできるようになるが、新しい技術が入るとまた新しいムダも出てくるから、そのつど見直して変えていかねばならないということだ」トヨタは、IT(情報技術)を駆使したクルマ作りの変革にも挑戦している。
トヨタ本社工場では、鍛造ラインの姿が変わってきている。
機械装置を覆う鉄板は透明のパネルとなり、装置の内部にはCCDカメラを取り付けているので、外から稼働状況が手に取るように見える。
これを「見える化」とトヨタでは称する。
作業員の動きや機械内部の状態が外からつぶさに把握できるので、生産効率は大幅に向上したという。
トヨタは、「この『見える化』は、言わば生産技術のノウハウで、デジタルマニファクチャリングの基本になる」としている。
「分かりやすいライン作り」を進めることは、国内から海外へグローバル生産に波及しても、海外工場で高効率の生産に結び付けることができるということだ。
かんばんについても、「電子かんばん」の導入を進めてさらなる効率性を追求することにしている。
ラインが止まらないように供給し続ける仕組みのかんばんは、これまでは工場の班長クラスがラインの動きや納入までの時間を考慮して、自分の経験を頼りにかんばんを出して下請けメーカーに発注していた。
しかし、電子かんばんではそれをコンピュータが判断して発注指示を行い、人間の勘で補助しながらかんばんの精度を高めるというものである。
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